高校卒業後に社会人として知っておきたい大切なこと

高校卒業後、いよいよ社会人としての第一歩を踏み出すみなさんへ。社会には、学校では学ばなかった「大人のルール」や「お金のこと」、そして「マナー」がたくさんあります。この記事では、これから社会に出て働く高校生やその保護者の方に向けて、最低限知っておきたい基本知識をやさしく解説します。

給料の仕組みを知っておこう

社会人になると、仕事をして「給料」をもらうようになります。ただし、求人票に書かれている金額がそのまま手元に入るわけではありません。給料からは「税金」や「保険料」などが差し引かれるため、実際に受け取る金額（手取り）は少なくなります。

たとえば、月給18万円と書かれていても、手取りは16万円ほどになることがあります。このように差し引かれるお金のことを「控除（こうじょ）」といいます。控除には、所得税、住民税、健康保険料、年金保険料などが含まれています。

毎月の給料明細を確認する習慣をつけ、何にどれくらい引かれているのかを理解することが大切です。最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ慣れていけば大丈夫です。

ペンたん

毎月いくらもらっているのか？習慣づけることが大切なんだね

社会人になると、自動的に「社会保険」に加入します。これは、病気やけが、老後などに備えて、みんなで支え合う仕組みです。主な保険には次のようなものがあります。

保険料は給料から自動的に引かれますが、将来の自分を守る大切なお金です。若いうちはピンと来ないかもしれませんが、長い目で見てとても重要な制度だといえます。

ペンたん

若くて健康なうちは、損している気分になるんだけど、長い目で見ることだね

初めての給料をもらったときは、欲しかったものを買いたくなる気持ちが強くなるかもしれません。しかし、まずは生活に必要なお金をきちんと確保することが大切です。家賃、食費、水道光熱費、通信費など、毎月かかる費用をしっかり把握しておきましょう。

さらに、突然の出費に備えて、少しずつでも「貯金」をする習慣を持つことが大事です。たとえば、毎月の給料の1割を貯金に回すなど、自分なりのルールを作ると管理しやすくなります。

最近はキャッシュレス決済が主流になっていますが、使いすぎには注意が必要です。

ペンたん

何にどれくらい使ったのかわかるように、家計簿アプリがおすすめだよ。

社会人として働くうえで、「あいさつ」「時間を守る」「報連相（ほうれんそう）」の3つは基本中の基本です。

報連相とは、「報告・連絡・相談」の略で、上司や同僚とスムーズに仕事を進めるための大切な考え方です。たとえば、失敗してしまったときにはすぐに報告する、作業の進捗をこまめに連絡するなど、日ごろの行動が信頼につながります。

また、職場では敬語を使った丁寧な言葉づかいや、服装・身だしなみへの配慮も欠かせません。社会人としての第一印象はとても大切です。清潔感のある服装や整った髪型を心がけましょう。

仕事では、電話やメールでのやりとりが頻繁にあります。電話をかけるときは、最初に会社名と自分の名前をはっきり伝え、要件を簡潔に話すように心がけましょう。

メールでは、「件名」「あいさつ」「本文」「署名（名前や連絡先）」をきちんと入れることが大切です。また、誤字脱字にも注意し、読みやすく丁寧な文章を意識しましょう。

これらのマナーを身につけておくことで、相手に信頼される社会人になることができます。

社会人生活を送っていると、「仕事がうまくいかない」「人間関係がしんどい」など、悩みを抱えることもあります。そんなときに、一人で悩みを抱えこまないことが大切です。

信頼できる上司や先輩に相談することが第一歩です。また、会社に相談窓口があれば、そちらを利用するのも良いでしょう。職場で話しにくい場合は、ハローワークや地域の就職支援センター、家族や学校の先生なども頼れる存在です。

相談することで気持ちが軽くなったり、新しい考え方に気づいたりすることがあります。自分の心と体を守るためにも、遠慮せず声を上げてください。

ペンたん

つらくなったら、まず誰かに相談しよう！

高校生のうちからでも、社会人になるための準備は始められます。たとえば、アルバイトをして「働く経験」をすることで、お金の大切さや責任感を学ぶことができます。

また、家庭で家事を手伝ったり、家計を一緒に考えたりすることも、自立につながる大事な経験です。日常の中で、「自分で考えて行動する」ことを意識してみましょう。

さらに、ニュースを見たり新聞を読んだりして、社会の動きに関心を持つことも大切です。社会の流れを知っておくことで、就職後の仕事にも役立ちます。

社会人になると、学校生活とは違うさまざまなルールや責任が出てきます。給料の仕組みや保険、お金の使い方、マナーや相談の方法など、あらかじめ知っておくことで、不安が減り、自信を持って社会に出ていけるようになります。

最初はわからないことも多いですが、ひとつひとつ学んでいけば大丈夫です。失敗しても落ち込まず、周りの人に相談したり、経験を積んで成長していきましょう。

高校卒業を控えた皆さん、そしてその保護者の皆さんにとって、この情報が「安心して社会に出るための一歩」になれば幸いです。