これから社会に出て働く高校生や新卒者にとって、「給料」についての知識はとても大切です。ただなんとなく働いてお金をもらうのではなく、「どうやって給料が決まっているのか」「どんな仕組みで支払われるのか」を知っておくことで、将来の選択肢が広がります。
この記事では、給料の基本的な仕組みから、差し引かれるお金、給料アップの方法、ボーナス(賞与)についてまで、わかりやすく説明していきます。
給料ってなに?働くことでもらえる報酬
給料とは、会社やお店などで働いた人が、その労働の対価として受け取るお金のことです。簡単に言えば、「頑張って働いた分だけもらえるありがとうのお金」です。
多くの場合、給料は月に1回支払われるため「月給(げっきゅう)」と呼ばれます。
アルバイトやパートのように、1時間あたりの金額で決まる「時給(じきゅう)」もありますが、正社員として働くと月給制が一般的になります。
給料が決まる5つのポイント
給料の金額は一律ではなく、さまざまな要素で決まります。以下のポイントが大きな影響を与えます。
- 職種や仕事内容:体力が必要な仕事や、専門的な知識・スキルが必要な仕事は、給料が高くなる傾向があります。
- 勤務地:地域によって物価や最低賃金が異なるため、給料にも差があります。
- 業界:IT業界、建設業、医療業界など、人手不足の業界では給料が高めになることがあります。
- 経験やスキル:長年の経験や専門知識を持っている人は高く評価され、高い給料を得ることができます。
- 会社の方針:企業によって給与体系や昇給のタイミングが異なるため、どの会社で働くかも大きなポイントです。
たとえば、責任が大きい仕事や危険を伴う職種は、そのリスクに見合った報酬として給料が高く設定されています。また、長く働くことで信頼や実績が積み上がり、昇給につながる場合もあります。
基本給と手当の違いを理解しよう
給料の中身を見てみると、大きく「基本給」と「手当」に分かれています。
● 基本給:その人の仕事内容や能力、役職に応じて毎月支払われるベースとなるお金です。
● 手当:通勤費、残業、深夜勤務、家族がいる人への支援など、働き方や生活状況に応じて追加で支払われるお金です。
たとえば「通勤手当」や「残業手当」「資格手当」などがこれにあたります。基本給と手当を合わせた合計が「支給額」と呼ばれます。
手取りってなに?実際に使えるお金は少ない?
給料の支給額がそのまま全額もらえるわけではありません。実際に手元に入ってくるのは「手取り(てどり)」と呼ばれる金額です。
手取りとは、支給額からいくつかの税金や保険料が差し引かれた後に、実際に口座に振り込まれる金額のことです。差し引かれる主なお金は以下のとおりです。
● 所得税:収入に応じて国に納める税金。収入が多いほど税率が上がります。
● 住民税:住んでいる市区町村に支払う税金で、公共サービスに使われます。
● 社会保険料:健康保険、年金、雇用保険などのために支払う大切なお金です。将来の病気や老後に備えるためのものです。
これらはすべて会社があらかじめ差し引いてくれるので、自分で納める必要はありません。でも、「なぜ引かれているのか」を知っておくことは、将来の自分を守ることにつながります。
給料をアップさせるにはどうすればいい?
「もっと給料が欲しい!」と感じたときに大切なのは、自分の価値を高めることです。
● 資格を取得する:業務に役立つ資格を持っていると、会社から評価されやすくなります。
● スキルを身につける:IT、語学、マネジメントなどのスキルを磨くことで、昇給や昇進のチャンスが広がります。
● 実績を積む:目に見える成果を出すことで、上司や同僚からの信頼が得られ、評価が高まります。
● 転職を考える:今の職場でスキルを磨いた後、より条件の良い会社に移るという選択肢もあります。ただし、転職にはリスクもあるので、よく調べて計画的に行動しましょう。
ボーナスってなに?給料以外でもらえるお金
ボーナスとは、給料とは別に支払われる特別なお金です。「賞与(しょうよ)」とも呼ばれ、主に年に1回〜2回、会社の利益や社員の働きぶりに応じて支払われます。
会社によってボーナスの有無や金額は大きく異なり、「ボーナスがある=安定した企業」というわけではありません。ただ、ボーナスの有無は求人情報に記載されていることが多いので、就職活動の際に確認しておくと良いでしょう。
また、ボーナスにも税金や保険料がかかるため、額面(支給額)よりも少ない金額が実際に手元に入ります。
まとめ:給料の仕組みを知って、社会人生活のスタートを安心に
給料は、働いたことに対する大切な報酬です。基本給と手当で構成され、そこから税金や保険料が引かれて、最終的に手元に残るのが「手取り」となります。
給料は仕事内容やスキル、経験、勤務先の制度などによって変わります。がんばり次第で昇給も可能ですし、自分を成長させることでより良い条件を得るチャンスも広がります。
お金の知識は、これから社会に出る高校生にとってとても大切な「人生の武器」です。正しく理解し、安心して働ける未来をつくっていきましょう。焦らず一歩ずつ、自分らしい働き方を見つけてください。