就職活動で欠かせない応募書類のひとつがエントリーシート(ES)です。特に大学3年生や4年生にとって、ESを書くのが初めてという人も多いのではないでしょうか。エントリーシートは企業によっては履歴書以上に重視されることがあり、書き方によって選考の通過率が大きく左右されます。
この記事では、エントリーシートの基本的な役割や構成、書き方のポイントをわかりやすく解説します。初めて就職活動を始める皆さんが、自信を持ってESを書けるよう、丁寧にお伝えしていきます。
エントリーシートとは何か
エントリーシートとは、企業が採用活動の中で求職者に提出を求める応募書類のひとつです。履歴書が経歴や資格などの基本情報を伝えるのに対し、ESはあなたの人柄や考え方、仕事に対する価値観を知るためのものです。
企業はESを通じて、「この人と一緒に働きたいか」「自社の文化に合うか」を判断します。だからこそ、あなた自身の想いや特徴が伝わる内容を書くことが大切です。
よく出題される設問とその意図
ESには企業ごとに様々な設問がありますが、よく出題される代表的な項目には以下のようなものがあります。
- 志望動機
- 学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
- 自己PR
- 長所・短所
- 入社後にやりたいこと
これらの設問には、企業ごとの評価ポイントが隠されています。たとえば志望動機では、企業への関心の深さやリサーチ力を見ています。ガクチカでは、困難にどう立ち向かうか、チームの中でどのように貢献したかなどが評価の対象になります。
それぞれの設問が何を見ているのかを理解し、それに合った回答を心がけましょう。
志望動機を書くときのポイント
志望動機は、あなたと企業のマッチ度を伝えるための大切な欄です。「なんとなく有名だから」「福利厚生が良さそうだから」といった理由では、企業側に強い印象を与えることはできません。
大切なのは、企業の事業内容や価値観、将来のビジョンをしっかり調べ、自分の経験や興味とどうつながるかを言葉にすることです。たとえば「御社の環境に配慮した製品開発に共感し、私もその一員として貢献したいと感じました」といったように、自分の考えと企業の姿勢を重ね合わせると説得力が増します。
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)の書き方
ガクチカでは、あなたの行動力や課題解決力、チームワークを伝えることが重要です。サークル、アルバイト、ボランティア、ゼミなど、どんな経験でもOKですが、ただ活動を並べるだけでは不十分です。
以下の構成を意識しましょう:
- どんな目標を立てたか
- どんな課題があったか
- どう工夫して乗り越えたか
- その結果どうなったか
このようにストーリーを持たせることで、読み手の記憶に残りやすい内容になります。
自己PRで強みを伝えるコツ
自己PRでは、自分の性格や特技をアピールすることが求められますが、単なる自己紹介になってはいけません。大切なのは、「自分の強みを企業でどう活かせるか」まで説明することです。
たとえば「責任感がある」だけではなく、「アルバイトで新人の教育係を任され、ミスを減らすためにマニュアルを作成した」など、具体的なエピソードを加えると信頼性が高まります。
文章の構成を意識しよう
読みやすいESを書くには、文章の構成にも注意が必要です。「結論→理由→具体例→まとめ」の順番で書くと、内容が整理されていて読み手に伝わりやすくなります。
例:
- 私の強みは〇〇です(結論)
- その理由は△△という経験があるからです(理由)
- 実際に□□の場面で〜しました(具体例)
- この経験を活かして貴社で〇〇に貢献したいです(まとめ)
このような構成を守ることで、論理的で説得力のある文章になります。
エントリーシートを書くときの注意点
ES作成時には、以下のポイントに気をつけましょう。
- 誤字脱字を防ぐ(読み直しと他人のチェックが効果的)
- 設問ごとに一貫性を持たせる(志望動機と自己PRが矛盾していないか確認)
- 文字数制限を守る(短すぎず、長すぎず)
- 自分の言葉で書く(テンプレートをそのまま使わない)
完成後は、一晩寝かせてから見直すと、客観的な目でチェックしやすくなります。
サポートサービスを活用しよう
最近では、ES作成をサポートしてくれる便利なサービスもたくさんあります。大学のキャリアセンターでは、個別添削や相談会を行っているところもありますし、インターネット上には例文集や解説記事も豊富です。
また、友人や先輩、家族に読んでもらって感想をもらうこともおすすめです。自分では気づけない改善点が見つかることがあります。
まとめ
エントリーシートは、企業にあなた自身の魅力や考えを伝える重要な書類です。履歴書とは違い、あなたの思いや経験を自分の言葉で表現することが求められます。
本記事で紹介したように、設問の意図を理解し、ストーリー性のある内容を意識しながら丁寧に書いていきましょう。誤字脱字を防ぎ、内容に一貫性を持たせ、他の応募者と差別化できるような工夫を忘れないことが大切です。
就職活動は、自分自身と向き合う大きなチャンスです。焦らずじっくり取り組み、自信を持ってエントリーシートを提出してください。