先日、株式会社マイナビが発表した「管理職の中途採用・管理職転職に関する調査2025年」のニュースを読み、現代の働く人たち、特にミドル層の意識の変化を強く感じました。
なんと、管理職を中途採用した企業が半数近くに達し、さらに人事担当者の約7割がその採用に「満足している」という驚くべき結果です。
本記事では、この調査結果から見えてくる、これからの管理職キャリア戦略を徹底解説します。
1. 企業は即戦力を求めている!中途採用ニーズの増加
まず注目したいのは、管理職を中途採用する企業の割合が近年増加しているという事実です。これは、企業が時間をかけて内部育成するだけでなく、外部から「即戦力となるマネジメント経験者」を積極的に迎え入れようとしている証拠でしょう。
調査結果にも、管理職の採用理由として「マネジメント経験が豊富な人材を求めたため」が最多になったとあります。この傾向は、特に変化のスピードが速い現代において、外部の知見や多様性を取り込むことが企業の成長に不可欠になっていることを示しています。
もしあなたが現役の管理職であれば、そのマネジメント経験自体が市場価値を高めていると前向きに捉えるべきです。
2. 管理職が転職を決意する「決定的な理由」とは?
この調査で非常に興味深かったのは、管理職と非管理職で転職理由のトップが異なっていた点です。非管理職の転職理由が「給与が低かった」であるのに対し、管理職の転職理由のトップは「会社の将来性に不安があった」だったとのこと。
これは、管理職になると目の前の給与よりも、自分の所属する組織全体の未来を深く考えるようになるからではないでしょうか。マネージャーとして「この船はどこに向かっているのか?」という問いに答えられなくなると、不安を感じ、より成長が見込める場所へ移ろうと決断する。これは、管理職としての責任感と、自律したキャリア意識の表れだと私は考えます。
3. 「即戦力」として期待されるスキルの正体
企業側が中途採用した管理職に「満足している」理由として、「即戦力となった」という回答が上位に挙がっています。では、管理職の「即戦力」とは何を指すのでしょうか?
もちろん、チームを率いる力や目標達成能力は基本です。特に評価されているのは、業界や組織が変わっても通用する「トランスファラブル・スキル(汎用性の高いスキル)」です。
前職のやり方に固執せず、企業の現状を素早く把握し、今求められている成果を出すために、柔軟にマネジメントスタイルを「変革できる力(チェンジマネジメント能力)」を持つ人が、真の即戦力と言えるでしょう。
4. 若手が意識すべき「ポストに頼らない」リーダーシップ
この調査は主に管理職の転職がテーマですが、これから管理職を目指す若手にとっても考えさせられるものがます。将来的に市場価値の高いマネージャーになるためには、「役職」という名のポジションに頼るのではなく、「知識と行動で人を動かす力」、すなわちリーダーシップを養う必要があります。
現役管理職の転職理由が「将来性不安」であるように、会社任せのキャリアはリスクが高まります。
若手は、役職がなくても、部署やチームを超えてプロジェクトを推進したり、デジタルスキルや最新のビジネス知識を学び続けたりする経験を積みましょう。それが、数年後に転職や社内異動で「マネジメント経験が豊富な人材」と評価される実績の土台になります。
5. 転職はネガティブなものではなくなった
今回の調査結果全体を通して感じるのは、「転職」がキャリアアップや自己成長のためのポジティブな選択肢として完全に定着したということです。
管理職の採用が増加し、成功体験も共有されている今、もしあなたが現状に不安を感じているなら、自分のマネジメントスキルが他の企業ではどう評価されるのか、一度市場を覗いてみる価値は十分にあるでしょう。大切なのは、動機が「逃げ」ではなく「前進」であることです。
まとめ
マイナビの調査結果は、管理職のミドル層の転職が「会社の将来性」という、より本質的な動機に基づいていることを示しました。そして、企業側も即戦力の管理職に対して高い評価を与えています。
終身雇用や年功序列といった従来の価値観が薄れゆく中で、私たちのキャリアは「会社に与えられるもの」から「自分で選び、築き上げるもの」へと変化しています。
現役の管理職も、これから管理職を目指す人も、市場が何を求めているかを正確に理解し、自身のマネジメント経験やスキルを棚卸しすることが、不確実な時代を生き抜くための鍵となるでしょう。
参考にした記事
- タイトル:「管理職の中途採用・管理職転職に関する調査2025年」株式会社マイナビ
- ニュースサイト名:PR TIMES
- URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002264.000002955.html
※本記事は、上記のニュースリリースを参考に、筆者の見解や感想を交えて構成したものです。記事の正確な内容については、引用元をご確認ください。

 
  
  
  
  
