「働き方改革」や「リスキリング」という言葉が日常になり、今、注目を集めている資格の一つが「キャリアコンサルタント(国家資格)」です。
転職を考えているあなたも、「人の役に立ちたい」「将来は独立や副業で自由に働きたい」と考えて、この資格に興味を持っているかもしれません。
あるいは、すでに勉強を始めているかもしれませんね。
しかし、「キャリアコンサルタントの資格を取っただけでは、まず稼げない」というのが、業界のリアルな実情です。
今回は、あえて一般常識とは異なる視点から、私の実体験を元に、「資格取得後に本当に生き残るためのリアルな始め方」について解説します。
1. 「資格」はただの「免許証」。車がなければ走れません
まず、多くの人が陥る最大の勘違いから解消しましょう。
それは「国家資格を取得すれば、仕事が向こうからやってくる」という幻想です。
残念ながら、キャリアコンサルタントの登録者数は年々急増しており、今や約85,000人(※推計)となっています。
つまり、ただ「資格を持っています」というだけでは、大勢の中に埋もれてしまい、誰もあなたを見つけてくれません。
資格はあくまで「運転免許証」です。
免許証を持っていることと、「プロのレーサーとして賞金を稼げること」や「タクシー運転手として売上を上げること」は全く別の話ですよね?
独立・副業で成功している人は、資格取得をゴールにしていません。
「自分という車(商品)をどう走らせるか」を徹底的に考えています。
常識的に考えれば「養成講座で習った理論」をアピールしたくなりますが、実はクライアント(相談者)にとって、あなたがシュロスバーグの理論を知っているかどうかなんて、どうでもいいことなのです。
彼らが興味があるのは「私の悩みを解決してくれるのか?」という一点のみです。
2. 「何でも相談に乗ります」は「誰の役にも立ちません」と同じ
これから副業を始める人が必ず書くプロフィールがあります。
「就職活動、転職、職場の人間関係、ライフプランなど、何でもご相談ください!」
一見、親切で間口が広そうに見えますよね?
しかし、ビジネスの常識では、これは「自殺行為」です。
想像してみてください。あなたが深刻な腹痛に襲われた時、「内科・外科・眼科・皮膚科・全部診ます!」という看板の怪しい病院に行きますか?
それとも「胃腸専門クリニック」に行きますか?
間違いなく後者を選ぶはずです。
キャリアコンサルタントも同じです。
「何でもできる」は「何も専門性がない」と言っているのと同じことになってしまいます。
成功している人は、常識外れなほどターゲットを絞っています。
- × 一般的な例: 転職相談に乗ります。
- ○ 稼げる例: 「30代・異業種からITエンジニアを目指す人専門」の面接対策。
ここまで絞ると「お客さんが減るのでは?」と不安になるでしょう。
逆です。絞れば絞るほど、「これは私のためのサービスだ!」と強く感じる人が現れ、高単価でも選ばれるようになります。
「全員に好かれようとしないこと」。
これが、その他大勢から抜け出すための鉄則です。
3. 「傾聴」でお金をもらうな。「成果物」でお金をもらえ

資格の勉強中、耳にタコができるほど「傾聴(相手の話を聴くこと)」の重要性を説かれます。
しかし、独立・副業の世界で「あなたのお話、じっくり聴きます」という商品は、実は最も売れにくい商品です。
なぜなら、多くの人は「ただ話を聞いてほしい」のではなく、「具体的な解決策」や「目に見える成果」にお金を払いたいからです。
特に、無名の個人にお金を払う場合、そのハードルは高くなります。
では、どうすればいいのでしょうか?
ここでも視点を変えましょう。
「相談」を売るのではなく、「成果物」を売るのです。
- 職務経歴書の添削: 「受かる書類」という成果物が手に入る。
- 模擬面接の録画フィードバック: 「自分の話し方の改善点」が可視化される。
- 自己分析シートの作成代行: 「言語化された強み」が手に入る。
「相談に乗る」というのは、あくまでプロセス(過程)にすぎません。
クライアントがお金を払うのは、その先にある「スッキリした状態」や「完成した書類」というベネフィット(利益)に対してです。
「聴くスキル」はあって当たり前。それをどうやって「目に見える形」に変えて提供できるか。
ここが、ボランティアとビジネスの分かれ道になります。
4. 独立初期の「無料モニター」は3人でやめろ
最後に、多くの人が陥る「安売りの沼」についてお話しします。
資格取得直後は自信がないため、「まずは経験を積むために」と無料で相談を受けたり、格安でココナラなどのスキルシェアサイトに出品したりしがちです。
練習としては必要ですが、これを長く続けると、あなたのキャリアコンサルタントとしての寿命は尽きます。
なぜなら、「無料」や「格安」で集まる人たちは、「本気で人生を変えたい人」ではなく、「タダなら話を聞いてほしい人」である可能性が高いからです。
そうした相手に消耗させられ、「やっぱりこの仕事は稼げない」と諦めてしまう人が後を絶ちません。
常識的に考えれば「石の上にも三年」と言いますが、ビジネスにおいては「無料モニターは3人(または1ヶ月)まで」と期限を決めるのが正解です。
そして、勇気を持って価格をつけること。
例えば、1時間5,000円でも1万円でも構いません。
価格をつけることで、あなた自身に「プロとしての責任感」が生まれ、その価格に見合うだけの準備や努力をするようになります。
「自信がついたら値上げする」のではなく、「値段をつけるから自信と実力がついてくる」のです。
この順序を間違えないでください。
5. 絶対に必要な「プラスα」のスキル
最後に、厳しい現実もお伝えしなければなりません。
「キャリアコンサルタント」の有資格者は急増しており、資格を持っているだけでは差別化が難しくなっています。
独立・副業で生き残るために、資格以外に身につけておいた方が良いスキルがあります。
マーケティング力(集客力)
どれだけ良いカウンセリングができても、お客様があなたの存在を知らなければ依頼は来ません。SNS運用、ブログ執筆、セルフブランディングなど、「自分を売り込む力」が必須です。
別の専門スキルとの「掛け合わせ」
「キャリアコンサルタント」×「〇〇」という掛け合わせが強力な武器になります。
- ファイナンシャルプランナー(FP): ライフプランとお金の相談をセットで受ける。
- 社会保険労務士: 労働法規の専門知識を持って企業顧問に入る。
- 心理カウンセラー: より深いメンタルヘルスの相談に対応する。
このように、複数の武器を持つことで、「あなたにお願いしたい」という指名買いが増えていきます。
まとめ:資格は「ゴール」ではなく「武器」の一つ
これから資格取得を目指す方、あるいは取得してどう動こうか迷っている方にとって、少し刺激の強い内容だったかもしれません。
しかし、あえて厳しい現実と「裏常識」をお伝えしたのは、せっかく取得した国家資格を「タンスの肥やし」にしてほしくないからです。
今回のポイントをまとめます。
- 資格はただの免許証。 取得しただけでは仕事は来ない。
- ターゲットを激しく絞る。 「何でも屋」は誰からも選ばれない。
- 「聴く」を売るな。 「書類」や「解決策」という成果物を売る。
- 安売りは自分を殺す。 勇気を持って早期に価格を設定する。
- プラスαのスキル。「キャリアコン」×「〇〇」という掛け合わせが強力な武器になる。
キャリアコンサルタントは、人の人生の岐路に立ち会い、前向きな一歩を支援できる素晴らしい仕事です。
だからこそ、「良い人」で終わるのではなく、「稼げるプロ」として長く活躍してほしいと願っています。
常識にとらわれず、戦略的に「あなただけのキャリア」を切り拓いてください。応援しています。

