このブログを読んでいるあなたは、おそらく私と同じように「30代になって、今の生活、このままで本当に大丈夫かな？」と、漠然とした不安を抱えているのではないでしょうか。特に、子供が生まれたり、成長していくのを見たりすると、その不安は一気にリアリティを帯びてきますよね。
この記事では、都会のIT企業で働いていた私が、子供の誕生をきっかけに一大決心し、Uターン転職で故郷へ帰ったリアルな体験談をお届けします。
給与が下がっても、後悔していないのはなぜか？地場企業での働き方ってどうなの？といった疑問に包み隠さずお答えしますね。
1. 「このままでいいの？」都会の忙しさと子育てのジレンマ
私がUターン転職を真剣に考え始めたのは、33歳で長男が生まれたときです。それまで、都会の生活は刺激的で、仕事も忙しいながらも充実していました。しかし、子供の小さな寝顔を見ながら、ふと思ったんです。
「このまま都会での暮らしを続けることが、この子にも自分たちにも本当に良い選択なのか？」
当時の私の生活は、朝6時に満員電車に揺られ、帰宅するのは夜9時すぎ。子供が起きている時間はほとんどなく、週末も仕事の疲れでぐったり…。家は狭いワンルームマンションで、近くに公園はあってもいつも混雑。妻は初めての育児で孤軍奮闘。精神的にも肉体的にも限界が見えてきました。
もちろん、キャリアアップのチャンスは豊富でしたが、それと引き換えに失っている「時間」や「心のゆとり」があまりにも大きすぎました。30代は仕事で最も脂が乗る時期ですが、同時に家族の生活基盤を作る時期でもあります。
「仕事の成功」と「家族の幸せ」という二つの目標が、都会の暮らしではまるで両立できないパズルのように感じられたのです。
2. 決断のきっかけ！Uターン「故郷へ」の思いと家族会議
ある日、妻がぽつりと言いました。「この子を、私たちと同じように土の匂いを嗅いだり、思いっきり走り回ったりできる環境で育てたいね、お互の両親にとって初孫だし、近くにいると嬉しいだろうね」。。。。その言葉が、私の背中を押しました。
私の故郷は、新幹線で3時間ほどの地方都市です。空気はきれいで、自然豊か。そして何より、私の両親が暮らしています。
「故郷へ帰る」という選択は、単に都会から逃げることではありませんでした。それは、子供に安心できる環境を与え、妻に育児の物理的なサポートを提供し、そして私自身が心のゆとりを取り戻すための「前向きな投資」だと捉え直したのです。
一番の懸念はもちろん仕事です。今まで培ってきたキャリアが通用するのか？、給与はどれくらい下がるのか？ですが、妻は「生活費が安くなる分、多少給料が下がっても大丈夫。何よりパパがいつも家にいてくれる方が嬉しい」と言ってくれました。家族全員が同じ方向を向くことができた瞬間、Uターン転職への迷いはなくなりました。
3. 故郷での転職活動と地場企業で働くリアル
Uターン転職活動は、都会でのそれとは全く違いました。まず、求人の数が圧倒的に少ないです。大手転職サイトで検索しても、自分のスキルとマッチする案件は数えるほどしかありません。
私が活動で重視したのは、「地場企業」にターゲットを絞ることです。故郷に根ざした企業なら、地域経済への貢献度も高く、腰を据えて長く働けると考えたからです。結果的に、地元の有力な製造業のDX推進部門への転職が決まりました。
給与と働き方がどう変わったのか？私が最も懸念していた点を、正直に「都会の大企業」と「故郷の地場企業」で比較した結果がこちらです。
| 項目 | 都会の大手企業（前職） | 故郷の地場企業（現職） |
|---|---|---|
| 年収 | 高い（昇給は緩やか） | 都会より20%ほどダウン（伸びしろはあり） |
| 仕事の幅 | 専門的・分業体制 | 非常に幅広い（一人で何役もこなす） |
| 通勤時間 | ドアツードアで1時間半 | 車で20分 |
| 人間関係 | ドライで合理的 | アットホームでウェットな部分もある |
| 決定のスピード | 稟議が多く遅い | 社長や役員との距離が近く非常に早い |
やはり年収は下がりましたが、それ以上に仕事の「濃さ」と「幅広さ」が上がりました。
前職では自分の専門分野しか携われませんでしたが、今はマーケティングからシステム導入、人材育成まで、部署をまたいで関わるチャンスが多く、30代で新しいスキルを身につける最高の環境だと感じています。
もちろん、人間関係は密になりますが、皆が地域のためにという熱い思いを持っているため、働きやすいです。
4. 転職後の変化！生活の質（QOL）は劇的に向上しました
Uターン転職を果たしてから約1年半。生活の質（QOL）は劇的に向上しました。
一番大きな変化は「時間」です。
前職では往復3時間かかっていた通勤が、今では車でわずか20分。この差の1日2時間40分が、すべて家族の時間に変わりました。
朝は子供とゆっくり朝食をとり、出勤前に公園で少し遊ぶ余裕もできました。夕方は、まだ外が明るいうちに帰宅し、子供をお風呂に入れるのが日課です。その日の疲れはその日のうちにリセットされるような、穏やかな時間です。
週末の疲れも嘘のようで、家族で地元のキャンプ場や温泉に出かける回数が格段に増えました。
また、生活環境も大きく変わりました。都会では手の届かなかった庭付きの一戸建てに住むことができ、家賃や駐車場代といった固定費が大幅に削減されました。具体的には、都会の狭いマンションの家賃が月20万円だったのに対し、故郷では庭付き一戸建ての住宅ローンが月12万円以下に収まっています。
「給与が下がった」という事実だけを見るとマイナスですが、故郷へ帰ったことで家賃、外食費、レジャー費が減り、実質的な可処分所得（自由に使えるお金）や貯蓄率は都会にいた頃と比べてむしろ改善傾向にあります。
さらに、近くに両親がいることは精神的な安心感につながります。急な病気の時や、夫婦で少し出かけたいときなど、すぐに頼れる人がいる環境は、子育て世代にとって何物にも代えがたい財産だと心から感じています。
5. 30代Uターン転職を成功させるためのアドバイス
私の経験から、30代でUターン転職を考えているあなたに、ぜひ実践してほしいアドバイスを3つご紹介します。
5-1. 家族全員の「幸せの定義」を話し合う
転職活動を始める前に、必ず家族と徹底的に話し合ってください。特に「お金」と「キャリア」についてです。 「給与は下がるけど、その分、残業がなくなり、毎日一緒に夕飯を食べられる。それで本当に満足か？」という問いに、夫婦でYesと言えるまで話し合うことが、後悔しないための最大の鍵です。
5-2. 地場企業で通用する「汎用スキル」を磨く
地場企業では、大手のような専門分化は進んでいません。マネジメント、営業、ITリテラシー、コミュニケーション能力など、業界や職種を超えてどこでも役立つ「汎用スキル」を持っている人が重宝されます。30代で培ってきた経験を、いかに地元に還元できるかという視点でアピールすることが大切です。
5-3. 転職エージェント以外でも情報を集める
地方の優良な地場企業は、大々的に求人を出さないことも多いです。故郷の友人に声をかけたり、地域の商工会議所や自治体のUターン支援窓口を活用したりするなど、足で稼ぐ情報収集がカギを握ります。地域との接点を持つことで、入社後のミスマッチも減らせます。
まとめ
30代はキャリアも子育ても正念場。だからこそ、環境を変える大きなエネルギーが必要です。
私がUターン転職を決断し、故郷へ帰って得た最大のものは、「心のゆとり」と「家族の笑顔」です。確かに年収は下がりましたが、それを補って余りあるほどの生活の質を手に入れました。
都会の「忙しい＝偉い」という価値観から解放され、家族との時間を大切にする「人生の豊かさ」こそが、私の新しい幸せの定義となりました。
もしあなたが、都会の生活に疲弊し、故郷への転職を迷っているなら、まずは一歩踏み出してみませんか？
30代の経験と情熱は、必ず地場企業でも通用します。あなたの故郷は、あなたとあなたの家族の新しい未来を待っていますよ。
