今回は、私の転職活動で経験した、心からの後悔について、包み隠さずお話ししたいと思います。転職を考えている方、特に「今の会社を辞めたいけど、次が見つからない」「どうやって活動すればいいか分からない」と悩んでいる方の参考になれば幸いです。
転職を考え始めたきっかけ
私が転職を考え始めたのは、今の会社に入社して5年が経った頃でした。仕事自体に大きな不満があったわけではありません。むしろ、人間関係も良く、安定した日々を送っていました。
しかし、毎日同じことの繰り返しで、朝起きて出社し、決まった仕事をこなして夜に帰宅する毎日。まるで時間が止まっているかのように感じていました。この単調なサイクルを繰り返すうちに、3年後、5年後の自分を想像しても何も変わっていないような気がして、漠然とした焦りを感じ始めたのです。
同僚や友人と食事をしている時も、話題はいつも仕事やキャリアについてでした。「このままでいいのかな?」「もっとやりがいのある仕事はないかな?」と、誰もが心の中で同じような悩みを抱えていることを知りました。
そんな中、先に一歩踏み出して転職を成功させた人の話を聞くたびに、自分の心の中の「新しいことに挑戦したい」「もっと自分を成長させたい」という気持ちがどんどん膨らんでいきました。
しかし、この時の私は、転職を甘く見ていたのです。「これまで真面目に頑張ってきたし、スキルも経験もある。きっとすぐに良い会社が見つかるだろう」と、何の準備もせず、安易な気持ちで転職活動を始めてしまいました。
後悔その1:情報収集不足と安易な決断
私の最初の後悔は、情報収集不足です。当時は、インターネットの求人サイトを見るだけで、企業の情報を集めているつもりでした。
しかし、それはあくまで企業側が発信する「表の顔」に過ぎませんでした。企業のミッションや事業内容、従業員数といった表面的な情報だけでなく、実際の職場の雰囲気や人間関係、残業時間の多さや有給休暇の取りやすさといった、企業側の情報だけでは分からない「本当の姿」や「実情」を知ることができていませんでした。
実際に面接に行ってみると、事前に調べていた情報とは全く違う会社の雰囲気に驚くことが多々ありました。社員が疲れた表情で黙々と作業していたり、オフィス全体に重い空気が流れていたりする光景を見て、「これは自分が想像していた会社とは違う」と面接中に気づくこともありました。
また、複数社から内定をいただくことができ、その中で一番給与が高い会社に安易に決めてしまったことも大きな後悔です。入社後、給与はたしかに上がりましたが、その代償として、毎晩終電で帰るほどの長時間労働が当たり前で、人間関係もギスギスしていました。
給与という目先の条件だけで判断してしまい、自分にとって本当に大切なこと(ワークライフバランスや人間関係、社風)を見落としていたのです。あの時、もっと社員の声を聞いたり、内定者懇談会に参加したりして、深く調べていれば、違う選択ができたかもしれません。
後悔その2:キャリアプランの欠如と自己分析不足
次に後悔しているのは、キャリアプランの欠如と自己分析不足です。転職活動を始める前に、私は「何のために転職するのか」「将来、どんな自分になりたいのか」ということを明確にしていませんでした。「今の会社が嫌だから辞めたい」「もっと給料が欲しい」というような、短期的な理由だけで動いていました。
そのため、面接で「あなたのキャリアプランは?」と聞かれても、漠然とした答えしかできませんでした。「新しいことに挑戦したいです」と答えても、具体的に「何を」したいのかが伝わらず、企業側から見れば、私の熱意や真剣さが感じられなかったのだと思います。
また、自分の強みや弱み、本当にやりたいこと、得意なこと、苦手なことなどをきちんと理解していませんでした。何が好きで、何が得意なのかを自分自身が分かっていないため、求人情報を見ても「これだ!」と思える仕事が見つかりませんでした。
結果として、自分に本当に合った仕事や会社を見つけることができず、選考で何度も不採用となり、自信を失っていきました。自己分析シートを使ったり、これまでの仕事で「楽しかったこと」「苦労したこと」などを書き出したりする時間を、もっと大切にすべきだったと心から後悔しています。
後悔その3:一人で抱え込みすぎたこと
そして、もう一つの大きな後悔は、一人で転職活動を進めてしまったことです。転職活動は、本当に孤独な戦いでした。書類選考で何社も続けて不採用になったり、面接で自分の考えがうまく伝えられなかったりすると、心が折れそうになります。
そんな時、誰にも相談せずに一人で悩んでいたため、不安や焦りがどんどん膨らんでいきました。夜も眠れなくなり、「自分は社会人として価値がないのではないか」とまで思うようになり、精神的に追い詰められてしまいました。
もし、あの時、転職エージェントやキャリアカウンセラー、あるいは信頼できる友人や家族に相談していれば、全く違った結果になったはずです。
彼らは、客観的な視点から私の強みや弱みを指摘してくれたり、私一人では見つけられなかった求人を紹介してくれたりしたでしょう。また、ただ話を聞いてもらうだけでも、心の負担はだいぶ軽くなったはずです。自分の転職活動を周囲に知られるのが恥ずかしいという気持ちがありましたが、そのプライドが、私の可能性を狭めてしまったと気づきました。
後悔から学んだこと
こうした苦い経験から、私は転職活動において、いくつかの大切な教訓を得ることができました。
まず、転職活動は準備が9割ということです。闇雲に求人に応募するのではなく、まず最初に自己分析を徹底的に行い、自分の価値観、強み、やりたいことを明確にすること。
その上で、自分のキャリアプランを描き、将来の目標に近づくために転職をするという意識を持つことが重要です。
そして、企業研究を深く行い、表面的な情報だけでなく、その会社の文化や働き方まで理解するように努めるべきでした。
次に、一人で悩まないということです。転職のプロである転職エージェントに相談したり、友人や家族に話を聞いてもらったりすることで、客観的な視点を得ることができ、不安や悩みを軽減することができます。自分の人生をより良くするための大切な決断ですから、一人で抱え込まず、周りの力を借りることをためらわないで欲しいです。
まとめ
私の転職活動は、後悔の連続でした。しかし、その経験を通して、転職は単に「会社を変えること」ではなく、「自分の人生とじっくり向き合うこと」だと気づきました。
給料や知名度といった表面的なことだけにとらわれず、自分は何を大切にして働きたいのか、どんな人生を送りたいのかを時間をかけて考えることが、後悔しない転職への第一歩だと思います。
もし、これから転職を考えている方がいれば、このブログが私と同じ後悔をしないための小さなヒントになれば幸いです。納得のいく未来を掴むため、ぜひ自分とじっくり向き合ってみてください。心から応援しています。

 
  
  
  
  
