こんにちは!地方都市(新幹線も止まらない田舎です)に住む、32歳のWebエンジニアのケンジです。妻と3歳の娘と3人で暮らしています。
私は半年ほど前まで、地元のSIer(システム開発会社)で働いていました。
しかし、将来への不安や技術的な閉塞感から一念発起し、転職活動を開始。現在は、東京の自社開発企業でフルリモートワークをしています。
この記事では、私がなぜ転職を決意し、どうやって地方にいながら東京の企業の採用を勝ち取ったのか、そのリアルな全貌をお伝えします。
1. なぜ「地方在住」のまま「転職」を考えたのか

まずは、私が転職を考え始めたきっかけからお話しさせてください。
30代に入り、仕事にも家庭にも慣れてきた頃、ふと「このままでいいのかな?」という不安が頭をもたげ始めました。
技術的な遅れへの焦り
地元の企業では、安定はしているものの、使っている技術がどうしても古くなりがちでした。
何年も前のバージョンの言語、オンプレミスのサーバー管理…。
Twitter(現X)などで東京のエンジニアが最新のクラウド技術やモダンなフレームワークについて熱く語っているのを見るたびに、「自分はエンジニアとして取り残されているんじゃないか」という強烈な劣等感を感じていました。
給与水準の限界
地方の給与水準は、どうしても都心に比べて低くなります。
「家賃や物価が安いからトントンだろう」と自分に言い聞かせてきましたが、子供が生まれて将来の教育費や老後のことを考えると、今の昇給ペースでは明らかに足りないという現実が見えてきました。
でも、東京には行けない
最大の悩みはここです。「じゃあ東京に行けばいい」と言われても、そう簡単ではありません。
私も妻も地元出身で、両親も近くに住んでいます。
子供ものびのびとした環境で育てたい。満員電車に揺られる生活には戻りたくない。
「地方に住み続けたい。でも、仕事のレベルと年収は上げたい」
このワガママとも言える希望を叶える唯一の方法、それが「東京企業のフルリモートワーク求人への転職」だったのです。
2. 30代エンジニアの転職活動、実際のところ
「30代」「地方在住」「フルリモート希望」。
この条件での転職活動は、正直に言うと最初は不安だらけでした。
最初ぶつかった「壁」
転職サイトを見ても、地元の求人は似たような条件ばかり。
一方で、東京のリモート可の求人は「ハイススキルな即戦力」を求めているように見え、「自分なんかが通用するのか?」と尻込みしてしまいました。
しかし、実際に動いてみるとわかったことがあります。
それは、「コロナ禍以降、東京の企業も地方の人材を本気で探し始めている」ということです。
都内のエンジニア採用競争は激化していて、優秀な人を確保するのが難しくなっています。
そのため、「居住地不問」で採用枠を広げている企業が急増していたのです。
これは私にとって最大の追い風になりました。
私がとった戦略
ただ漫然と応募しても受かりません。
私は以下の3つに絞って準備をしました。
- ポートフォリオの刷新業務での実績は重要ですが、モダンな技術(私の場合はGo言語とReactでした)へのキャッチアップ姿勢を見せるため、個人開発のアプリをGithubに上げてアピール材料にしました。
- 「自走力」のアピールフルリモートでは、手取り足取り教えてもらうことはできません。30代という年齢もあり、「指示を待たずに自分で課題を見つけて解決できる」という点を職務経歴書で強調しました。
- 転職エージェントの活用「フルリモート可」と書いてあっても、実は「週1回出社必須」というケースも多いです。無駄な応募を避けるため、ITエンジニア専門のエージェントに「完全フルリモートのみ」という条件でフィルターをかけてもらいました。
3. 地元企業 vs 東京リモート企業!待遇と環境の比較
ここで、私が以前勤めていた地元のSIerと、現在働いている東京のベンチャー企業の違いを表にまとめてみました。
これから転職を考えている方の参考になれば幸いです。
【地元SIer(前職)と東京フルリモート(現職)の比較】
| 項目 | 地元のSIer(前職) | 東京のフルリモート企業 (現職) |
| 勤務地 | 車で片道40分のオフィス | 自宅の書斎(通勤0分) |
| 年収 | 400万円台前半(昇給微増) | 600万円台(約1.5倍にUP!) |
| 技術スタック | Java(古いVer)、オンプレミス | Go, TypeScript, AWSフル活用 |
| コミュニケーション | 電話、対面会議、メール | Slack, Zoom, Notion |
| 服装 | スーツまたはオフィスカジュアル | 完全自由(パジャマ以外ならOK) |
| 残業 | 毎日1〜2時間(付き合い残業あり) | ほぼなし(成果主義) |
| 評価制度 | 年功序列が強い | スキルと成果で評価 |
いかがでしょうか。
もちろん、前職には「顔を合わせて働く安心感」や「地元の安定感」という良さはありました。
しかし、エンジニアとしてのキャリアと待遇を考えた時、この差はあまりにも大きいと感じました。
特に驚いたのは年収です。
地方の生活コストのまま、東京水準の給与をもらえることの経済的インパクトは凄まじいです。
単純に使えるお金が増えただけでなく、心に余裕が生まれました。
4. リモートワーク転職、成功の鍵は「面接」にあった
地方在住者が東京の企業を受ける際、今の時代は面接もすべてオンラインで完結することがほとんどです。一度も東京に行かずに内定が出ました。
ここで重要だったのが、「画面越しでのコミュニケーション能力」です。
オンライン面接で気をつけたこと
30代のエンジニアには、技術力だけでなく「チームを円滑にする力」も求められます。
- カメラ映りと音声環境を整えるこれはマナーです。部屋が暗かったり、マイクがガサガサしているだけで「リモートワークへのリテラシーが低い」と判断されかねません。リングライトとそこそこのマイクを用意しました。
- 結論から話すオンラインだと、対面よりも「話の間」が掴みにくいです。ダラダラ話すと相手の集中力が切れます。「結論から申し上げますと〜」を口癖にしました。
- 「テキストコミュニケーション」への自信を見せるリモートワークの主戦場はSlackなどのチャットツールです。「言語化能力には自信があります」と伝え、実際に職務経歴書も読みやすさに徹底的にこだわりました。
面接官からは「地方にお住まいとのことですが、リモートでの連携に不安はありませんか?」と必ず聞かれます。
これに対しては、
「前職でも一部リモートを取り入れており、チャットでの報連相を徹底していました」や
「自分から積極的に情報を発信することで、物理的な距離を埋める工夫をします」と、
具体的な解決策を提示することで安心してもらえました。
5. 実際に働いてみて感じたメリット・デメリット
晴れて内定をいただき、働き始めて半年。
「最高です!」と言いたいところですが、もちろん良いことばかりではありません。リアルな感想をお伝えします。
メリット:人生の主導権を取り戻した感覚
- 通勤時間の消滅:往復1時間半が浮きました。
この時間は、子供とお風呂に入ったり、技術書の勉強に充てたりしています。 - 居住地の自由:「会社の近くに住む」必要がないので、少し郊外の広い家に引っ越すことも検討中です。
- 人間関係のストレス激減:苦手な上司と物理的に顔を合わせなくて済むのは、精神衛生上とても良いです。
デメリット:自己管理能力が試される
- 運動不足:意識して外に出ないと、本当に1歩も家から出ない日があります。
私は朝の散歩をルーティンにしました。 - 孤独感:雑談が減ります。自分からSlackの雑談チャンネルに書き込んだり、オンラインランチ会に参加したりしないと、孤立する可能性があります。
- オンオフの切り替え:仕事場が自宅なので、ダラダラ仕事をしてしまいがちです。
「18時にはPCを閉じる!」と決めておかないと、永遠に仕事をしてしまいます。
ただ、これらのデメリットは工夫次第で解決できるものばかりです。
得られたメリットの大きさに比べれば、些細な問題だと感じています。
まとめ:地方在住エンジニアこそ、世界を広げるチャンス
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
地方在住の30代エンジニアにとって、今は「場所にとらわれずにキャリアアップできる」かつてないチャンスの時期です。
「自分にはハードルが高いかな…」
「今の環境を変えるのは怖いな…」
そう思う気持ち、痛いほどわかります。私もそうでした。
でも、勇気を出して一歩踏み出した先には、想像以上に自由で、評価に見合った報酬を得られる世界が待っていました。
もしあなたが今の環境にモヤモヤしているなら、まずは以下の小さな一歩から始めてみませんか?
- 自分の市場価値を知る(転職サイトに登録してスカウトを見てみる)
- リモートワーク可能な求人を検索してみる
- 気になる技術のチュートリアルを触ってみる
地方にいながら、東京の仕事をバリバリこなし、家族との時間も大切にする。そんな働き方は、もう「夢物語」ではありません。
あなたの挑戦が、素晴らしい結果につながることを心から応援しています!


